機関紙2025年11月号アップしました。

テクノウエーブ 県労委で勝利命令を勝ち取る!

technowave 労働委員会

2025年10月23日に神奈川県労働委員会はテクノウエーブ株式会社の不労働行為を認定し、清算人の鳥居眞理氏にポストノーティスの命令を交付した。

テクノウエーブは2023年春闘において団交拒否を行い、同年8月に当組合が県労委に申立てた後、不当労働行為を認めないまま会社を解散し逃げ切りを図った。本命令にて認定されたように団交拒否は明らかに不当労働行為であるが、会社は組合員の退職を理由に救済の利益が失われていると主張していた。しかし命令では、清算結了までは回復すべき集団労使関係秩序が失われているとは言えず救済の利益は失われていない、と会社主張を退けた。また会社は同年10月から翌年6月の会社解散までに7回団交を行い集団労使関係秩序が回復されていると主張したが、その7回の団交も誠実交渉義務が果たされているとは言えないと退けている。

本事件の会社の交渉態度は、組合の交渉力に対する組合員の不振を醸成し、組合内部の結束力を弱める効果を招来し得るものであるから労組法第7条第3号に規定される組合の運営に対する支配介入にあたるとも認定されている。

解散した会社に対しても救済の利益があるとして、ポストノーティスが命じられたことは一定の成果であったが、金銭支払命令を得られなかったことは遺憾である。県労委が和解期日を複数回設定してくれたにもかかわらず、会社が金銭を伴う和解を完全に拒んだことで、当組合は2024年5月29日に代理人弁護士に依頼して損害賠償請求の通知を行っている。会社解散した状況において、本件不当労働行為による現状回復として、労働組合としての存在意義を回復するものとして、県労委にも損害賠償的救済命令を追加で求めていたが、金銭支払いの命令はなかった。

そこで、ポストノーティスだけでは不労働行為によって損害を被った組合の救済には役に立たないとして、闘いを継続することを決意した。11月4日、中労委に対し、県労委命令の救済内容一部不服として、再審査申し立てを行った。

近年、「裁判所において不当労働行為を不法行為として損害賠償を命じることが一般化した現在、労働委員会が救済命令として金銭賠償を命じ得ないとする根拠は乏しい」(荒木尚志『労働法(第5版)有斐閣2022年、797頁』)とする論説も出ている。これからも我々は会社側の逃げ得は許さない労働組合であるという姿勢で闘っていく。引き続きの支援をお願いします。

元テクノウエーブ組合員

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