機関紙2025年7月号アップしました。

なぜ私たち労働組合が反戦平和運動に取り組むのか

2025年メーデーのデモ行進で反戦、反軍拡を訴える全国一般神奈川組合員 反戦
2025年メーデーのデモ行進で反戦、反軍拡を訴える全国一般神奈川組合員
あらためて平和について考えよう!

ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ市民への弾圧、イランとイスラエルの戦闘、アメリカによるイランへの攻撃など、国際情勢は対話・外交による紛争解決とは正反対の力づくによる支配がまかり通る状況になっている。国内に目を向ければ、今年は沖縄戦後80年の節目の年となるなか、自民党国会議員によるひめゆりの塔をめぐる歴史を歪曲した主張は、成人男子の4人に1人が亡くなった沖縄の悲劇を冒涜し、太平洋戦争を招いた当時の日本の美化に他ならない。また20日投開票の参議院選ではトランプ政権の「アメリカファースト」ならぬ「日本人ファースト」という、日本で働き、生活を営む外国人の人権を軽視、敵視するかのような排他的言動さえ出てきている。

また、日本の在日米軍基地の70%が集中している沖縄を、まるで他人事としてとらえ、他国間の紛争を対岸の火事としか考えずに、核の抑止力や軍事力の増強で国を守ることができるという妄想に疑問を持たなくなっている風潮がある。その先にあるのは際限のない軍拡競争と疲弊する国民生活に他ならない。

当たり前のことだが、私たち労働組合の権利と生活を守るための闘いは戦争のない社会、命が簡単に奪われることのない社会であることが前提となる。そのような社会は個別の労使交渉によって実現できる次元ではない。だからこそ核廃絶を求め続け、辺野古基地建設や防衛費増額NO!の姿勢で政治への取り組みを継続していかなければならない。いったん戦火となれば真っ先に犠牲になるのが子供や女性、一般市民であることは歴史が証明している。

労働組合の組織率の低下に歯止めがかからない背景の一つとして、個々の労働者の孤立化、分断化が指摘されているが、このことと安倍政権以降顕著になっている、戦争ができる国づくり、台湾有事などを口実にした軍事大国化の進行は無関係ではないだろう。労働者間の分断は世代間の分断や地域社会での協同意識の希薄化を生み出し、そのはけ口として閉鎖的な自国優先政策が蔓延していく。

一方で平和を守る運動は単純な護憲、軍事増強反対だけに収束するものではないことも忘れてはならない。大都市の電力需要集中とそれを維持するための地方への原発の押し付け、介護や福祉の現場で働く人の労働条件改善への無関心等、まずは足元の日々の地域生活に目を向けて、労働者が連帯して社会的発言力を高めることの価値を信じて前進していこう。

全国一般神奈川執行委員会

タイトルとURLをコピーしました